男女問題に関するいろい論

男女問題に関して思ったことを主観的に、時に客観的に(あたりまえ)書きます

#ツイッターでウィメンズマーチ に反感を抱いてしまう弱者男性(の一人)

#ツイッターでウィメンズマーチ というハッシュタグをここ最近よく目にするようになった。興味深かったので一日4億回ぐらい検索していたのだが、このハッシュタグにおいて実に奇妙なことが起こっている。

そもそもこのタグは、女性達が、自身が感じている抑圧、差別を発信し、それらに立ち向かっていこうということで作られたもののようである。いくつか過激なものこそあれ、その多くは正当性を持った主張だ。しかし、こういったツイートに対して、「全ての男性が差別的である訳ではない(いわゆるNot All Men)」、「男性も差別を受けている」、「被害妄想」というような見当違いのリプライが送られることが多発しているのだ。また、なかには、ただの罵詈雑言や卑猥な言葉を投げつけるだけのものもあり、これはもう論外である。こういった現象の対策もあってか #ツイッターでメンズマーチ というハッシュタグが作られ、男性への抑圧、差別に対する不満、及び権利向上についてはこれで発信してください、ということになった(そもそもウィメンズマーチタグは不満を愚痴ることを主目的に作られたものではないと思うが)。にも関わらず、このメンズマーチタグはあまり活用されておらず、結局、#ツイッターでウィメンズマーチの発言者に見当違いなリプライが送られ続けているのだ。そして、メンズマーチタグの発言者に女性から見当違いのリプライが送られるという“逆”の現象はあまり起きていない。ほとんど男性女性方向にのみ起こっている現象なのだ。

 

なぜ、このようなことが起こってしまうのか、と冷静に考察と行きたいところだが、あることを告白せねばならない。それは、僕自身が、このようなリプライを送る男性の気持ちも分からんでもない、と思ってしまった、ということである。僕自身はリプライこそ送っていないが、ウィメンズマーチタグのツイートに全く反感を覚えていない、と言えば嘘になる。しかし、感情的に“クソリプ”を送るということは論理性を欠いた行動であることも自覚していたので実行には及ばず、深く反省した。だから、なぜこのようなことが起きるのか、ではなくなぜ僕が #ツイッターでウィメンズマーチに見当違いの反感を抱いてしまったのか、を考察したい

 

 

まず、僕はホモソーシャルにおける弱者男性の一員である。サラリーマンとして男性社会を生きているが、男性社会とはすなわち弱肉強食の競争社会であり、オトコなら弱音は吐かず我慢してナンボ、泣いちゃダメ、出世しろ、という精神が今も根付いている。しかし、僕ははっきり言ってメンタルが弱いし、そこそこの収入で家族とのんびり暮らしたい、もっと寝たいetc...としか思っていない。「オトコ」の風上にも置けない奴だ。つまり、ジェンダーと自分の性格が乖離していることにより、大層ストレスが溜まる。

こういったストレスが引き金となり、「男性()ジェンダーを受け入れて我慢しているのに、女性は愚痴ることができていいよな」、「女性も我慢しろよ」、という論理性の破綻した反発につながる。

 

ここで大半の人は思うであろう。いや、お前も愚痴ればいいじゃん、と。女性に八つ当たりするぐらいなら愚痴れよ、と。

 

それでも、弱者男性(僕)は弱音を吐くことを良しとしない。

なんでやねん、と思うかもしれない。だが、弱者男性はジェンダーとのギャップに苦しみ、更にそのジェンダーが強いる「弱音を吐かずに我慢することが男らしく、尊敬される、モテる。」という信仰により負のサイクルの中で雁字搦めになってしまっている。弱音を吐かないことで自身のジェンダーギャップを少しでも埋められると信じているので、ジェンダーに苦しめられるほど、より我慢に拍車が掛かるのだ。

 

だから、弱者男性の脳内世界の登場人物はこんな感じだ。

 

強者男性「男なら弱音吐くなよ。情けねえなあ。」

女性「そんなことで愚痴るなんてダサくない?器小さすぎ!」

 

これは個人的な話だが、僕は過去にいじめられていたこともあり、強者男性に、弱音を吐く、弱みを見せることにかなり抵抗がある。女性に愚痴るなんてもっての他だ。なぜなら、ただでさえモテないのに、そんなことしたら確実にもっと「モテない」(と思っている)からだ。実におめでたい頭である。だが、いじめられた経験のある男性、モテない男性なんてそこら辺にゴロゴロ転がっている。こういう男性は結構多いのだ。

 

そんな世界にも弱者男性の愚痴を聞いてくれる人はいる。それはいったい誰か。

そう、同じ弱者男性の仲間たちだ。

「みんな、来てくれたんだね...」と思わず抱擁を交わしたくなるが、実はこれが最も危険だ。現実ならまだしも、SNS、2ちゃ〇ねるなどで、弱者男性同士で慰めあえば、怒りの矛先は当然その場に不在の女性に向くであろう。その結果、女性に対する偏見、差別はますます加速するのだ。

 

「弱音を吐かず我慢する」という男性のジェンダーにより、極限までストレスを抱え、怒りの矛先すら分らなくなった弱者男性が、上記の様な過程を経て、女性蔑視MAXになる。そんな最強、いや最低のモンスターが #ツイッターでウィメンズマーチにリプライを送るわけだから目も当てられない。

 

以上の様な告白により僕の好感度は著しく下がったが、同じ弱者男性の方々には自身の現在位置を再確認してほしい。

辛いのはよく分かるが、めちゃくちゃなことしてない?

 

というか、そもそも #ツイッターでウィメンズマーチ でツイートする女性とそれに見当違いなリプライ送る男性は、同じくジェンダーに苦しむ者同士、むしろ手を取り合うのに最適な相手のはずではないか

今、弱者男性に必要なのは、我慢の果てに八つ当たりするなんて最低だ、そんなことするぐらいなら適度に弱音を吐いてストレス発散できる人のほうが何倍もかっこいいよ、という精神だ。

 

 

(注):この記事における「弱者男性」は一部の「弱者男性」です。っていうか、中盤は ほぼ僕のことです。一括りにしないように。

 

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